「うちは求人媒体で十分じゃない?」
そう思って、採用サイトづくりを後回しにしていませんか?
確かに求人媒体やSNSだけでも応募は集まります。
しかし、自社の採用サイトを持つことで得られる効果は、応募数アップだけではありません。
ここでは、私が企業の採用支援をしていて「やっぱりあったほうがいい」と感じる理由を、実体験も交えてご紹介します。
目次
会社の魅力を、自分の言葉でしっかり伝えられる
求人媒体は便利ですが、枠や文字数に制限があります。
「うちの良さ、3行じゃ収まらないのに…」と思ったことはありませんか?
採用サイトであれば、その制限はありません。
働く人のインタビュー、社員旅行の写真、社長の想いなど──すべてを自分たちの言葉で載せることができます。
実際にあるメーカーでは「入社3年目の先輩に密着!」という動画を公開したところ、その動画を見て応募した人の内定承諾率が2割も上がったそうです。やはり“リアルな声”は強いのです。
検索から“直接”見つけてもらえる
応募前に、ほとんどの人が「会社名+採用」「職種+勤務地+会社名」といった検索をします。
そのとき公式の採用サイトがあれば「きちんとしている会社だな」と信頼されやすくなり、会社の雰囲気まで伝えることができます。
さらに、求人媒体の掲載が終了してもサイトは残るため、広告を出していなくても応募が入り続けるのです。
あるIT企業では、媒体掲載をやめた後もサイト経由で毎月10〜15件の応募があり、年間200万円以上の広告費削減につながったそうです。まさに“働く資産”といえます。
応募の質が上がる
採用サイトに仕事内容や求める人物像、キャリアステップまで載せておくと、理解度の高い人だけが応募してくれるようになります。
そのため「面接で話がかみ合わない…」ということが減ります。ある飲食企業では、「オープンキッチンでお客様と会話する仕事」と写真付きで明記しました。
すると“黙々と作業したい派”の応募は減り、“接客好き”の応募が増えたそうです。結果として、入社後の定着率も向上しました。やはり事前の情報公開は重要です。
信頼感とブランド力が上がる
採用サイトは応募者だけでなく、取引先やお客様、地域の人々の目にも触れます。
「採用にしっかり取り組んでいる会社」という印象は、それだけで信頼を得る要素になります。
地方の製造業では、採用サイトに「地域の小学校との職業体験の様子」や「社員家族の工場見学会」の写真を掲載しました。
その結果、地元メディアに取り上げられ、求人がスムーズになっただけでなく、地域のファンも増えたそうです。
採用の効率化にもつながる
「残業時間はどれくらい?」「在宅勤務はできますか?」──こうした同じ質問が繰り返し届くことはありませんか?
採用サイトにFAQページを設ければ、応募前に疑問を解消できます。
さらに応募フォームを採用管理システムと連携させれば、データ整理や進捗管理も自動化できます。
あるベンチャー企業では、この仕組みによって担当者のメール対応時間が月15時間減り、その分を面接や内定者フォローに充てられるようになりました。
まとめ
採用サイトは「作れば応募が増える魔法のページ」ではありません。
しかし、魅力をしっかり伝え、検索で見つけてもらい、ミスマッチを減らし、信頼やブランド力を高め、業務も効率化できる──そんなオールインワンの役割を果たせるのは採用サイトだけです。
求人媒体やSNSと組み合わせて運用すれば、応募数・応募の質・定着率のすべてを底上げできます。
そして「作って終わり」ではなく、少しずつ育てていくことが、2025年の採用戦略の王道といえるでしょう。