理想が高すぎる求人、最近とても増えています。
──でも、その条件では来ないんです。
人事の方とお話ししていると、
ここ数ヶ月、特に増えている相談があります。
「現場から“完璧な人材”を求められるんですが……
正直、この給与じゃ来ないのは分かってるんです」
こうした悩み、本当に多いです。
そして何より、
人事の方は「できない」のではなく、
市場を一番理解しているからこそ板挟みになっている。
コラム担当として、まずそこをはっきりお伝えしたいと思っています。
目次
最近よく聞く「理想だけ高い求人」のお話
この数年、どの企業でも共通しているのが、
「求める人物像だけがどんどんハイスペックになっていく」
という現象。
- 若くて
- 経験があって
- コミュニケーション能力も高く
- 自走できて
- 管理もできて
- 長く働いてくれて
- 性格も良くて
- 給与は据え置きで
──こんな“全部盛り”のような人物像が、
無意識に作られてしまうケースが多いのです。
現場の方に悪気はありません。
「どうせ採るなら良い人がいい」という気持ちは当たり前です。
ただ、人事の方は心の中でうすうす感じています。
「この条件のままでは来ないな……」
これが現実。
その条件で応募してくる人材層は“市場で決まっている”
これはとても静かな事実なのですが、
求職者の層は給与レンジによって明確に分かれます。
- 給与が高い→経験値・自走度の高い人材が集まりやすい
- 給与が控えめ→ポテンシャル層・キャリア迷子層が中心
“どちらが良い・悪い”ではなく、
市場がそう動いているだけ。
だからこそ、
「その給与で“理想の人材”を狙うのは難しい」
というのは、
人事の方が一番よく分かっているのです。
人事の方が板挟みになる理由
コラム担当として、数百社と話してきた中で
板挟みが起きる理由は以下の3つです。
●現場は“日常の困りごと”ベース
「早く戦力になってほしい」「前任者より良い人がいい」
こうした気持ちは自然です。
●人事は“市場の相場”ベース
実際に応募画面を見て、
どんな人が来て、どんな人が来ないかを知っている。
●給与・条件は動かせない
だからこそ、
「来ない」とは強く言えない。
でも、現場の理想には現実味がない。
この三層がズレることで板挟みが起きます。
採用ウィザード編集部としてのご提案:現場との話し方
ここは、コラム担当として一番お伝えしたいポイントです。
人事の方は、
“否定しない・責めない・現実だけを静かに伝える”
この3つが非常に効果的です。
実際に使える言い方をいくつか紹介します。
●「この条件で来やすい方の傾向を共有しますね」
→現場が“理想”ではなく“市場”で話せるようになる。
●「この要件だと採用に半年〜1年かかる可能性があります。
早く採りたい場合は、どこを広げましょうか?」
→「要件を下げる=妥協」ではなく
「スピードを上げるための選択」に変わる。
●「理想の方にも届くように、魅力の打ち出し方を調整します」
→“人事が頑張ってくれている感”が伝わる。
●「市場では、この給与帯だと“こういう層”が中心です」
→事実だけを淡々と共有。角が立ちにくい。
給与を変えられない人事ができる“採用力UPの工夫”
「給与は変えられません」
これは多くの人事が抱える不変の悩みです。
ただ、編集部として強く感じているのは、
給与が上がらなくても、採用力を底上げする方法はたくさんあるということ。
たとえば──
●求人原稿で“会社のあたたかさ”を出す
魅力の伝え方だけで、応募率は大きく変わります。
●採用サイトで「安心できる材料」を増やす
人は安心できる会社に応募します。
条件が全てではありません。
●スカウト文を“人に向けた手紙”のようにする
給与より「ちゃんと見てくれた」という感情の方が動きます。
●面接スピードを最速にする
同じ給与なら、“早く動く会社”が選ばれます。
まとめ
人事の方は、企業の中で一番“現実”を理解している立場です。
それでも伝えづらいことが多く、
気を遣い、調整し、板挟みになる。
このコラムで伝えたいのは、
あなたが間違っているわけではないということ。
そして、
給与を上げられなくても、
現場と協力しながら“現実に合わせた採用戦略”を組めるということ。
採用は、理想を押しつけるゲームではなく、
「今の条件で勝てる土俵を作る」仕事です。
そのための工夫は、必ずあります。

