求人票には反応がある。応募も入ってくる。なのに、なぜか採用につながらない。
面接の予定だけが増えて、成果はゼロ。やっと内定を出しても辞退される。ようやく入社しても、数か月で退職…。
──これ、珍しい失敗じゃなくて“人事あるある”です。
今回は、企業がハマりやすい「採用の壁」を、よくある6つのパターンに分けてズバッと解説します。
目次
ターゲットがぶれている
「未経験歓迎!」「人柄重視!」──魔法の言葉みたいですが、実はトラップです。
応募は集まるけど、「誰でもOK」にした結果、誰もハマらない。面接では「うーん…」と首をかしげる時間ばかりが過ぎていきます。
これは、合コンで「とりあえず人集めた」状態と同じ。人数は揃ったけど、理想の相手がいる確率は低い。
採用も恋愛も、「誰と本気で向き合いたいか」を決めないと、ただの時間浪費になります。
選考が遅すぎる
「いい人がいた!」と盛り上がったのに、書類選考で1週間、面接日程調整でさらに2週間…。
候補者からすれば「もう別の会社の最終面接が進んでるんですけど?」状態。
採用市場はいまや“早い者勝ち”。
恋愛でも、告白の返事を1か月放置されたら冷めますよね。採用も同じです。スピード感がないだけで「本気度が低い会社」に見えてしまいます。
面接で伝えられていない
面接官は真剣に「見極める」けれど、候補者は同じ時間で「会社を見ている」。
質問攻めにするだけで、魅力を何ひとつ伝えられなかったら「ここじゃないな」と思われて当然です。
面接は試験じゃなく、“お見合いプレゼン”。
「私たちはこういう会社です、あなたに来てほしい!」をしっかり伝えなければ、いい人ほどすぐ他社に行ってしまいます。
条件比較で負ける
給与・休日・福利厚生。数字で比較されたときにあまりに見劣りすると、「雰囲気がいい」だけでは勝てません。
「社員の人柄が〜」なんてふんわりした魅力は、条件が整った競合の前では霞んでしまうのです。
冷静に市場を見て、自社が戦えるポイントを磨きましょう。強みが「人間関係の良さ」なら、それを条件に勝る説得力で伝える必要があります。
内定後の放置
「内定を出したから、あとは入社を待つだけ」──これ、採用が止まる典型パターンです。
候補者はいま、“選ばれる立場”じゃなく“選ぶ立場”。内定後のフォローをサボったら、すぐに心は他社へ流れます。
「入社前からこの会社にしてよかった」と思わせられるかどうか。ここで差が出ます。
社内の温度差
人事が頑張って候補者を呼んでも、現場社員が「忙しいので早めに終わらせますね」と一言。
その瞬間、候補者の入社意欲は急降下します。
採用は“人事部だけの戦い”ではなく、会社全体の姿勢。
現場の協力なしに良い採用は絶対に成立しません。
まとめ
「応募はあるのに採用できない」──それは担当者の力量不足じゃなく、いまの採用環境で誰もが直面する壁です。
ただし、壁を前に立ち止まるか、突破口を探すかで結果は大きく変わります。
求人票の書き方から、面接のスタンス、内定フォローまで。すべての場面で“候補者の目線”を持てるかどうか。
そこに気づけた企業だけが、欲しい人材とちゃんと出会えるのです。

