「面接って結局、応募者をジャッジする場なんでしょ?」──そう思っていませんか?
もちろん面接は採用の可否を決める大切なプロセスです。しかし同時に、求職者にとっては「この会社に入りたいかどうか」を決める重要な接点でもあります。
特に経験の浅い面接官や現場マネージャーの場合、「どう進めればよいのか自信がない」という声をよく耳にします。
本記事では、面接の各フェーズでの具体的なコミュニケーションの取り方や質問例をまとめました。
目次
面接は「見極め」と「魅力伝達」の両輪で進める
面接官の多くが「応募者を評価すること」だけに意識を向けがちです。
しかし、求職者の7割以上が「面接官の印象で入社意欲が変わる」と答えている調査もあります。
つまり、面接は 「会社が選ぶ場」 であると同時に、「求職者に選ばれる場」 でもあるのです。
面接の冒頭:安心感を与えるアイスブレイク
応募者は誰でも緊張しています。最初の数分で「安心できる雰囲気」をつくることが重要です。
- 効果的な一言例
「今日はお越しいただきありがとうございます。リラックスしてお話いただければ嬉しいです」
「まずは簡単に自己紹介をお願いします。その後、私からも会社や仕事のことをご紹介しますね」 - NG対応
「では早速ですが志望動機をどうぞ」──いきなり核心に入ると、場が硬直してしまいます。
質問中:会社の魅力を織り交ぜながら聞く
単なる質問攻めでは「尋問」になってしまいます。
仕事内容や職場環境の説明を交えながら質問することで、応募者にとってもイメージが湧きやすくなります。
- 良い進め方例
「このポジションではチームで案件を担当します。前職でチームで進めた経験を教えていただけますか?」
──自社のスタイルを伝えたうえで質問すると、自然に魅力をPRできます。 - NG進め方
「前職を辞めた理由は?」とだけ聞く。
→ ネガティブに受け取られやすく、応募者が萎縮します。
面接の終了時:入社意欲を高めるクロージング
終わり方ひとつで印象が大きく変わります。
求職者が「ここで働きたい」と思えるようなメッセージを残しましょう。
- 好印象なクロージング例
「本日の面接でさらに興味を持っていただけたら嬉しいです。ぜひ一緒に働けることを楽しみにしています」
「次のステップは●日までにご連絡します。ご不明点があれば遠慮なくご質問ください」 - NGクロージング
「結果は追って連絡します」──事務的すぎて、冷たい印象を与えます。
好印象を与える質問例・NG質問例
良い質問例
- 「入社後にどんな成長をしたいですか?」
- 「これまでで一番やりがいを感じた仕事は何ですか?」
→ 求職者の価値観を引き出しながら、前向きに会話を進められます。
NG質問例
- 「結婚や出産の予定はありますか?」
- 「残業は平気ですか?」
→ 法的に問題がある場合や、ネガティブな印象を与える質問は避けましょう。
まとめ
面接は「選ぶ」だけの場ではなく、「選ばれる」ための場でもあります。
冒頭で安心感を与え、質問中に会社の魅力を伝え、終了時に前向きなメッセージを残す──それだけで求職者の印象は大きく変わります。
経験が浅い面接官でも、この流れを意識することで、求職者から「入社したい」と思われる面接が実現できます。

