「せっかく採用したのに、すぐに辞めてしまった…」 「入社したものの、なかなか会社の雰囲気に馴染んでくれない…」
中途採用で即戦力を期待して採用したはずが、早期離職やパフォーマンスの低さに悩んでいる採用担当者は少なくありません。このような「ミスマッチ」は、採用にかけた時間や費用を無駄にするだけでなく、現場の負担も増やしてしまいます。
このミスマッチをなくすための鍵が、入社後のサポートである「オンボーディング」です。今回は、採用コンサルタントが、明日から始められるオンボーディングのやり方と、その具体的な成功事例をご紹介します。
目次
なぜ、オンボーディングが重要なのか?
中途採用者は、「今までの会社の常識」しか知りません。 この会社で「何をどこまで聞いていいのかわからない」「誰に相談すればいいのかわからない」といった不安を抱えたまま、一人で仕事をすることになりがちです。
こうした不安を放置すると、会社への不信感につながり、結果的に早期離職の原因となります。オンボーディングは、入社者がスムーズに会社に馴染み、早期にパフォーマンスを発揮できるようサポートするための取り組みです。
いますぐできる!オンボーディングの3つのステップ
特別なツールや費用は必要ありません。以下の3つのステップを実践するだけで、オンボーディングの効果は格段に上がります。
ステップ1:入社初日までに「受け入れ準備」を整える
入社者が安心して初日を迎えられるよう、事前の準備をしっかりと行いましょう。
- デスク周りの準備: パソコンやアカウント、名刺などを事前に用意しておき、入社初日からすぐに使えるようにしておく。
- チームへの紹介: チームメンバーに新しい仲間が入社することを事前に共有し、歓迎する雰囲気を作る。
- 初日のスケジュール作成: 「午前中はオリエンテーション、午後はチームメンバーとランチ」のように、初日の予定を細かく伝えておく。
【成功事例】
あるIT企業では、入社1週間前に新入社員のデスクにウェルカムボードを置き、チームメンバーからのメッセージを添えるようにしました。これにより、「会社に歓迎されている」という安心感が生まれ、入日初日の緊張が和らいだとのこと。
ステップ2:入社1ヶ月間で「不安の解消」をサポートする
入社直後は、わからないことだらけです。気軽に相談できる環境を作り、不安を取り除いてあげましょう。
- メンター制度: 1人の先輩社員が「メンター」として、業務や人間関係の相談に乗る役割を担う。
- 定期的な面談: 週に1回、上司や人事が1対1で面談を行い、困っていることがないか聞き出す場を設ける。
【成功事例】
ある製造業の企業は、新入社員が入社してから1ヶ月間、毎日5分だけ上司と話す時間を設けるようにしました。業務の進捗だけでなく、世間話も交えることで、心理的な距離が縮まり、新入社員の定着率が大幅に向上しました。
ステップ3:入社3ヶ月以降「自走」を促す
入社から3ヶ月が経ち、会社に慣れてきたら、少しずつ一人で考えて行動してもらう機会を増やします。
- 短期的な目標設定: 「この3ヶ月で、この業務を一人でできるようになる」といった具体的な目標を設定する。
- 小さな成功体験: 難易度の低い業務から任せ、成功体験を積ませることで、自信を持ってもらう。
まとめ
オンボーディングは、採用活動の「最後の仕上げ」です。 「採用して終わり」ではなく、入社者がスムーズに会社に馴染み、長期的に活躍してもらうための大切なプロセスです。
今回ご紹介した3つのステップは、特別な予算やツールがなくても、いますぐに始められるものばかりです。ぜひ、今日から実践して、貴社の定着率向上につなげてください。
お悩みございましたら、お気軽にご相談ください。

